終わりの来る前に

 尾張名古屋は城でもつ、とはいますが、物事にはいずれ終わりが来るものです。

大スター高倉健さんが亡くなったとのこと、諸行無常とはいいますが本当大きなものを失ったように感じます。健さんが残り少ない時間でもう一度映画をやろうと取り組んだのが「あなたへ」だったとのこと。健さんのかっこよさって美形とかおしゃれとかとは違うんですよね。日本人ならではの男は黙ってサッポロビール的な憧れとでもいいますか。あ、あれは三船敏郎でしたが、健さんも三船さんと同じタイプの魅力ですよね。ただ、健さんは何と言っても人間的な魅力が大きい。いろんなこと背負いながらも、黙々とやることをこなして、周りの空気を読み、そして徹底的に謙虚。これは真似できませんね。個人的には母が昔からずっと高倉健の大ファンで、子供のころから高倉健ええわってずっと言われてましたが、正直子供の頃はそのかっこよさがいまいち実感できませんでした。ようやく、社会人になってからその魅力がわかってきました。今回のニュースでマスコミが健さんのことを急に取り上げましたが、このネット時代に日本人が失いつつある人間としての美学のようなものが見直される機会になればいいなと思いました。私自身も自らを振り返って、うーん小さいな~と。まあ、振り返っても何も変わらないとは思いますがね。

 でも、いずれ私も死ぬし、終わりは来るんです。それまでに何をしておくか?何ができるのかそれは自分で選んでいくしかないわけで、今は毎日を一生懸命やるだけです。素人の音楽なんかただの道楽で、殆どの世の中の人にはどうでもいいわけです。それでも、今結果的に15年やってきて、まだ続けれるならやらないよりはましかなと。まあ、仕事だけに生きるもしくは、家族のために生きるのもいいでしょう。残念ながら私の場合、独身なのでこんな道楽に時間を金を費やしているのです。

 15年間のしょうもない道のりといずれ来る終わりを頭に置きながら、書いた曲が「敗北感」。数日間この曲のデモを事務所で録音してました。一人多重録音は久々でしたが、やっぱり楽しいですね。多分こういう自分とだけ向き合う密室の作業が好きなんですよ。で、これからこれのAMOとしての録音に入ります。いずれ公開できる日が来ることを願って、今日はこれまで!